Return to site

商業出版を目指すなら

ななし書房が私家本に注目するわけ

そもそも私家本って?

商業出版を目指している書き手の方は、大勢いらっしゃることでしょう。しかし、実際に商業出版できる方、作家としてデビューできる方というのはとても少ないのが現状です。

そうした中で、多くの方が商業出版や作家デビューなどの足掛かりにできると考え、注目しているのが私家本です。そこで、まずはそもそも私家本ってどんな本なのかを説明しておきます。

私家本とは、いわゆる自費出版の一種で、書く人が費用を出してごく少数の人に読んでもらうためにつくった本です。一般的には、「私家版」と呼ばれます。遺稿集、自分史、句集、詩集など、個人に深く根差した内容が多いのが特徴でしょう。もともと書店流通させることを目的としていないため、ほぼ関係者でないと読むことができません。もちろんその内容が読むに耐えられるかは別の話ではあるのですが、書き手にとっては流通しないからこそ、書きたいことが書けるというメリットがあります。

昭和戦前までの出版法の規定により発売禁止の措置がとられるおそれのある出版物に関して、私家版(非売品)と銘打って過激な内容を盛り込んだものもある。永井荷風は『腕くらべ』を私家版で性描写を濃密に描いたバージョンを作成した。

とあるように、そこにはしっかりと私家本にする理由もあったわけです。ただ、現在は言論の自由も認められていますし、そこまで私家本にこだわる理由もなく、多くの人にとっては自費出版でひとくくりにされる存在であって、その区分はあいまいになっています。

自費出版は4種類にわけられる

ただ、ななし書房では、ひとくくりにされがちな自費出版本に関して、明確に4つの種類に分けて考えています。

  • 自家制作本
    まずは、完全オリジナルな自家制作本。これは、原稿作成から製本まで、すべて自分で作ってしまう本のことです。ちょっと調べれば製本まで自分でできるので、世界で唯一の本づくりも夢ではありません。豆本づくりを趣味にしている人もいますよね。ただ、すべて手作りですから、大量生産には向いていません。
  • 同人誌系
    自分の作品を発表するために作られる本です。コミケや文学フリマなどで頒布されることが多いです。そうしたなかで人に読んでもらい、作家を目指す人も少なくありません。実際に販売しているものも多く、この分野はすでに独特の世界観と独自の市場が築かれています。
  • 私家本
    身近な人に読んでもらうために、個人的な原稿を少部数でつくられた本。販売、流通を目的にしていないものが多いです。そのため、多くの人に読まれることはありません。ビジネスなどに生かすために、販促物の一種として自分の思いを本にして配布する人もいます。これも私家本の一種といえます。
  • 書店流通本
    いわゆる多くの人がイメージする自費出版本です。著者が費用を負担して本をつくり、書店流通させることで販売を目指すスタイルです。書店流通するので、なかには自費出版から作家デビューしたり、作品が映像化されたりすることもあります。ただ、いろいろなトラブルや問題点を指摘されることも多いのがこの分野です。

本を出したいと考える書き手の多くが目指しているのは、商業出版でしょう。ですが、前回も書きましたが、商業出版させることは、きわめて難しいわけです。そうしたなかで、自費出版という選択肢が生まれるのだと思いますが、その自費出版にもいろいろあることは知っておいても損はないでしょう。また、商業出版を目指すには、なにも紙の本にしなくても道はあります。電子書籍にしてしまうのもひとつの方法ですし、小説投稿サイトなどで作品を発表することもできます。今はさまざまな手段があるので、いろいろとチャレンジするのがよいと思います。そして多くの人の目に触れることです。

私家本に注目する3つの理由

そうしたなかで、なぜななし書房が「私家本」に注目しているかといえば、大きく3つの理由があります。

  1. 販売・流通しない
    広くは読まれないわけですから、広く読んでもらいたい書き手にとってはマイナスに感じられるかもしれません。ただ、少部数であるからこそ、読んでもらいたい人、読みたいと思ってもらえる人に届けることができ、実際に読んでもらうことができるのだと思います。本はまずは読んでもらうことができなければ、意味を持ちません。値段をつけて販売することを考えだすと、読まれることよりも売れることが大切になってしまいます。私家本は、値段をつけて販売しないからこそ、純粋に読んでもらうことだけを考えることができると思います。売ること、売れることを考えるのは、商業出版したときでも遅くないと思うのです。
  2. 編集されている
    自費出版の4つの種類のなかで、編集者の手や思いが加えられるとすると、私家本か書店流通本しかありません。編集というのは、著者の原稿を単に本のページに合わせてレイアウトしたり、「てにをは」を直したりすることではありません。著者の思いを読者の受け取りやすい形に変換する役割を担うのが編集です。著者のためでもあるのですが、読者のために本をつくるというほうがいいかもしれません。著者にはない第三者視点で読まれること、伝えることを考えるのが編集というわけです。
  3. 読み手が存在している
    私家本にするということは、個人的なものであれ、そこには必ず具体的な読み手が存在しています。少数ではあっても確実に読んでくれる人がいるというのは、著者としても、本としてとても幸せなことでしょう。この読み手をしっかり意識できるというのが私家本の優れた特徴のひとつで、商業出版するうえでも書き手にとって忘れてはならない大切な気持ちだと思います。私家本を書く人は必ずその思いを忘れることがないと思うのです。

以上が私家本の魅力だと思います。いわば私家本を書くときの書き手の気持ちが、読み手を楽しませることにつながりやすいと思うのです。つまり、強く読み手の存在を意識できるので、おもしろい本になりやすいということです。こうした特長を生かして、書き手の人と読み手の人を結ぶことができたら、きっと商業出版へと進む書き手も生まれてくると思っています。

いかがでしょうか。ななし書房の考えている私家本の魅力、可能性は少しは伝わったでしょうか。

詳しくは私家本プロジェクトサイトもご覧ください。http://nanasi.strikingly.com

作家を目指す人のための私家本出版もやっています。http://nanasikabon.strikingly.com

All Posts
×

Almost done…

We just sent you an email. Please click the link in the email to confirm your subscription!

OKSubscriptions powered by Strikingly